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 『薬草取』 青空文庫

 その頃父は小立野《こだつの》と言う処《ところ》の、験《げん》のある薬師《やくし》を信心で、毎日参詣するので、私もちょいちょい連れられて行ったです。
 後《のち》は自分ばかり、乳《うば》に手を曳《ひ》かれてお詣《まいり》をしましたッけ。別に拝みようも知らないので、唯《ただ》、親の病気の快くなるようと、手を合せる、それも遊び半分。

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