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『婦系図』
青空文庫
と主税を見向いた。
「はい、」
とばかりで、その目玉に射られるようで堅くなってどこも見ず、面を背けると端《はし》なく、重箪笥《かさねだんす》の前なる姿見。ここで梳《くしけず》る柳の髪は長かろう、その姿見の丈が高い。
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