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 『化鳥』 青空文庫

大方《おほかた》今の雀の其姉さんだの、頬白の其兄《にい》さんだのであつたらうと思はれる、男だの、女だの七八人寄つて、たかつて、猿にからかつて、きやあ/\いはせて、わあ/\笑つて、手を拍つて、喝采《かつさい》して、おもしろがつて、をかしがつて、散々《さんざ》慰《なぐさ》むで、そら菓子をやるワ、蜜柑《みかん》を投げろ、餅《もち》をたべさすワツて、皆でどつさり猿に御馳走《ごちさう》をして、暗くなるとどや/\いつちまつたんだ。で、ぢいさんをいたはつてやつたものは、唯の一人《いちにん》もなかつたといひます。

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