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 『五大力』 従吾所好

 やがて、其の宝の箱を恭しく持出して、(其の代りお探しに成ります家は、皆で尋ねて、早速お知せ申しませう。何しろ御緩り、これよ、お熱いのを、)と細君を呼んだがね。
 既に託けものまで持出した後で、お熱いのでもござんすまい、大きに御馳走様、――断つて帰ると成ると、お俥を、と云ふ……
 叔父に借りた大事な品を、其の甥に持たせて返す……此のお俥は、決して口前〈くちさき〉ばかりではなかつたらうけれども、今度は此方で寸法が狂ふんです。

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