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『夜叉ヶ池』 青空文庫
学円 むむ、これこそ談話じゃ。(と小膝《こひざ》を拍《うっ》て)面白い。話しましょう。……が、さて談話というて、差当り――お茶代になるのじゃからって、長崎から強飯《こわめし》でもあるまいな。や、思出した。しかもこの越前《えちぜん》じゃ。
晃 (細く障子を開き差覗《さしのぞ》く。)
時に小机に向いたり。双紙を開き、筆を取りて、客の物語る所をかき取らんとしたるなるが、学円と双方、ふと顔を合せて、何とかしけん、燈火《ともしび》をふっと消す。
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