検索結果詳細


 『半島一奇抄』 青空文庫

 運転手は踊躍《こおどり》した。もの凄《すさ》まじい爆音を立てると、さすがに驚いたように草が騒いだ。たちまち道を一飛びに、鼠は海へ飛んで、赤島に向いて、碧色《へきしょく》の波に乗った。
 ――馬だ――馬だ――馬だ――
 遠く叫んだ、声が響いて、小さな船は舳《みよし》を煽《あお》り、漁夫は手を挙げた。

 124/129 125/129 126/129


  [Index]