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 『薬草取』 青空文庫

 坊やは綺麗《きれい》になりました。も後毛《おくれげ》を掻上《かきあ》げて、そして手水《ちょうず》を使って、乳《うば》が背後《うしろ》から羽織《はお》らせた紋着に手を通して、胸へ水色の下じめを巻いたんだが、自分で、帯を取って〆《しめ》ようとすると、それなり力が抜けて、膝を支《つ》いたので、乳が慌《あわて》て確乎《しっかり》抱《だ》くと、直《すぐ》に天鵝絨《びろうど》の括枕《くくりまくら》に鳩尾《みぞおち》を圧《おさ》えて、その上へ胸を伏せたですよ。

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