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『縁結び』 青空文庫
「私は小児《こども》の時だったから、唾《つばき》をつけて、こう引返すと、台なしに汚《よご》すと云って厭《いや》がったっけ。死んだ阿母《おふくろ》が大事にしていた、絵も、歌の文字も、対《つい》の歌留多《かるた》が別にあってね、極彩色《ごくさいしき》の口絵の八九枚入った、綺麗《きれい》な本の小倉百人一首《おぐらひゃくにんいっしゅ》というのが一冊あった。
その中のね、女用文章の処を開けると……」と畳の上で、謙造は何にもないのを折返した。
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