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 『日本橋』 青空文庫

 その晩、かねて口を利いた浜町の骨董屋の内へ駈込んで、(あい。)と返事をしたんだって。
 浅草、花川戸の、軒に桃の咲く二階家に引越して、都鳥の鼈甲の花笄、当分は島田のままで、祖母さんと妹がそこへ引取られて、私は奉公を止して、中学校の寄宿舎へ入る。続いて筋の制帽となって、姉の思一つなんだ。かみわざで助けられるように、金釦の制服と漕ぎつけた。」

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