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『日本橋』
青空文庫
中に大高源吾が、笠を覗込んで、前へ屈み、
「坊さんは誰なんです。」
「怜悧だな。何、天晴御会釈。いかさま、御姓名を承りますに、こなたから先へ氏素姓を申上げぬという作法はありませなんだ。しかし御覧の通り、木の端同然のものでありますので、別に名告りますほどの苗字とてもありませぬ。愚僧は泉岳寺の味噌摺坊主でござる。」
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