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『貝の穴に河童の居る事』
青空文庫
「お床几《しょうぎ》、お床几。」
と翁が呼ぶと、栗鼠《りす》よ、栗鼠よ、古栗鼠の小栗鼠が、樹の根の、黒檀《こくたん》のごとくに光沢《つや》あって、木目は、蘭を浮彫にしたようなのを、前脚で抱えて、ひょんと出た。
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