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 『婦系図』 青空文庫

 一仔細《ひとしさい》なくてはならぬ様子があるので、ぎょっとしながら、辞《いな》むべき数《すう》ではない。……柏家は天井裏を掃除しても、こんなものは出まいと思われる、薄汚れたのを、電燈の下《もと》に、先生の手に、もじもじと奉る。
 引取《ひっと》って、ぐいと開けた、気が入って膝を立てた、の色が厳しくなった。と見て胆《きも》を冷したのは主税で、小芳は何の気も着かないから、晴々しい面色《おももち》で、覗込《のぞきこ》んで、

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