検索結果詳細


 『日本橋』 青空文庫

 小児等は同じように顔を合せて、猿眼に、猫の目、上り目、下り目、団栗目、いろいろなのがぱちくるのみ。
 自ら名告った味噌摺坊主は、手甲の手の腕組して、
「ははあ、御思考最中と見えますな。いや、何にいたせ、貴方がたを義士の御連中とお見掛け申して、ちと折入って、お話し申したい事があります。余り端近。な、ここは余り端近で、それそれ通りがかりの人目も多い。もそっとこれへ、ちょっと向うへ。あの四角の処まで、手前と御同道が願いたい。

 132/2195 133/2195 134/2195


  [Index]