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 『草迷宮』 鏡花とアンティークと古書の小径

 と悠然として打頷き、
 「そこでじゃ、客僧。
 たといその者の、自から招く禍とは言え、月の忽ち雲に隠れて、世の暗くなるは怪まず、行燈の火の不意に消ゆるに喚き、天に星の飛ぶを訝らず、地に瓜の躍るに絶叫する者どもが、われら一類が為す業に怯《おびや》かされて、その者、心を破り、気を傷《きずつ》け、身を損えば、おのずから引いて、我ら修業の妨《さまたげ》となり、従うて罪の障《さわり》となって、実は大《おおい》に迷惑いたす。」

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