検索結果詳細
『春昼』
泉鏡花を読む
其処で又清々しく一吸して、山の端の煙を吐くこと、遠見の鉄拐の如く、
「夏は嘸涼しいでせう。」
「とんと暑さ知らずでござる。御堂は申すまでもありません、下の仮庵室なども至極其の涼しいので、ほんの草葺でありますが、些と御帰りがけにお立寄り、御休息なさいまし。木葉を燻べて渋茶でも献じませう。
133/628
134/628
135/628
[Index]