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 『海神別荘』 華・成田屋

博士  ――また冷返(ひえかえ)る夕嵐、雪の松原、この世から、かかる苦患(くげん)におう亡日(もうにち)、島田乱れてはらはらはら、顔にはいつもはんげしょう、縛られし手の冷たさは、我身一つの寒の入、涙ぞ指の爪とりよし、袖に氷を結びけり。・・・
侍女等、傾聴す。
公子  ただ、いい姿です、美しい形です。世間はそれでその女の罪を責めたと思うのだろうか。

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