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『二、三羽――十二、三羽』
青空文庫
炎暑、極熱のための疲労《つかれ》には、みめよき女房の面が赤馬の顔に見えたと言う、むかし武士《さむらい》の話がある。……霜が枝に咲くように、汗――が幻を描いたのかも知れない。が、何故か、私は、……実を言えば、雀の宿にともなわれたような思いがするのである。
かさねてと思う、日をかさねて一月《ひとつき》にたらず、九月一日のあの大地震であった。
「雀たちは……雀たちは……」
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