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 『草迷宮』 鏡花とアンティークと古書の小径

 (唯一口試みられよ、爽《さわやか》な涼しいしい酒の味がする、)というに因って、客僧、御身はなおさら猶予《ためら》う、手が出ぬわ。」
 とまた微笑み、
 「毒味までしたれば、と少年は、ぐと飲み飲み、無理に勧める。さまでは、とうけて恐る恐る干すと、ややあって、客僧、御身は苦悶し、煩乱し、七転八倒して黒き血のかたまりを吐くじゃ。」

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