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『日本橋』
青空文庫
「もっとも柳に雪折なし、かえって御心配の無いものでござります。でござりますが。」
爺さんは天秤を潜るがごとく、腰を極めて、一息寄る。
「そのお弱い貴女が、また……何で、今時分、こんな処に夜風は毒の、橋は冷えます。私なんぞ出過ぎましたようでござりますが、お案じ申すのでござりますよ。」
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