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 『草迷宮』 鏡花とアンティークと古書の小径

 これならば立退くであろう、と思うと、ああ、埒あかぬ。客僧、御身が仮に落入るのを見る、と涙を流して、共に死のうと決心した。
 葛籠《つづら》に秘め置く、守刀をキラリと引抜くまで、襖の蔭から見定めて、
 (ああ、しばらく、)

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