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 『草迷宮』 鏡花とアンティークと古書の小径

 これによって、われら守護する逗留客は、御自分の方から、この邸を開いて、もはや余所へ立退くじゃが。
 その以前、直々に貴面《きめん》を得て、客僧に申談《もうしだん》じたい儀があるといわるる。
 客は女性でござるに因って、一応拙者《それがし》から申入れる。ためにこれへ罷出た。

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