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『二、三羽――十二、三羽』
青空文庫
「雀たちは……雀たちは……」
火を避けて野宿しつつ、炎の中に飛ぶ炎の、小鳥の形を、真夜半《まよなか》かけて案じたが、家に帰ると、転げ落ちたまま底に水を残して、南天の根に、ひびも入らずに残った手水鉢《ちょうずばち》のふちに、一羽、ちょんと伝っていて、
顔
を見て、チイと鳴いた。
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