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 『夜叉ヶ池』 青空文庫

百合 どうぞ、……結構でございますから、……そして貴客、もう暗くなります、お宿をお取り遊ばすにも御不自由でございましょうから。……
学円 いやいや、談話の模様では、宿をする事もあると言われた。私《わし》も一つ泊めて下さい、――この談話は実《み》がありますから。
百合 先刻《さっき》は、貴客、女の口から泊りの事なぞ聞くんじゃない。……その言《ことば》について、宿の無心でもされたらどうするとおっしゃって。……もう、清い涼《すずし》いお方だと思いましたものを、……女ばかり居る処で、宿貸せなぞと、そんな事、……もう、私は気味が悪い。

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