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 『草迷宮』 鏡花とアンティークと古書の小径

 と尋ねたが、その時はほぼその誰なるかを知っているような気がしたのである。
 女《たおやめ》は褄を深う居直って、蚊帳を透して打傾く。
 萌黄が迫って、その衣《きぬ》の色を薄く包んだ。

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