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『縁結び』 青空文庫
だから、そのお嬢《じょう》さんなんざ、年紀《とし》も違うし、一所に遊んだ事はもちろんなし、また内気な人だったとみえて、余り戸外《そと》へなんか出た事のない人でね、堅《かた》く言えば深閨《しんけい》に何とかだ。秘蔵娘《ひぞっこ》さね。
そこで、軽々しく顔が見られないだけに、二度なり、三度なり見た事のあるのが、余計に心に残っているんで。その女用文章の中の挿画《さしえ》が真物《ほんもの》だか、真物が絵なんだか分らないくらいだった。
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