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 『夜叉ヶ池』 青空文庫

百合 先刻《さっき》は、貴客、女の口から泊りの事なぞ聞くんじゃない。……その言《ことば》について、宿の無心でもされたらどうするとおっしゃって。……もう、清い涼《すずし》いお方だと思いましたものを、……女ばかり居る処で、宿貸せなぞと、そんな事、……もう、私は気味が悪い。
学円 気味が悪いな? 牡丹餅の化けたのではないですが。
百合 こんな山家は、お化《ばけ》より、都の人が可恐《こお》うござんす、……さ、貴客どうぞ。

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