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『草迷宮』
鏡花とアンティークと古書の小径
罪の世の御二人には、唯可恐《おそろ》しく、凄じさに、かえって一層、犇々《ひしひし》と身を寄せる。
そのあわれさに堪えかねて、今ほども申しました、児を思うさえ恋となる、天上の規《のり》を越えて、掟を破って、
母
君が、雲の上の高楼《たかどの》の、玉の欄干にさしかわす、桂の枝を引寄せて、それに縋って御殿の外へ。
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