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『草迷宮』
鏡花とアンティークと古書の小径
思余《おもいあま》って天上で、せめてこの声きこえよと、下界の唄をお唄いの、母君の心を推量《おしはか》って、多勢の上臈たちも、妙なる声をお合せある――唄は爾時《そのとき》聞えましょう。明さんが望の唄は、その自然の感応で、胸へ響いて、聞えましょう。」
と、神々しいまで面正しく。……
僧は合掌して聞くのであった。
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