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 『草迷宮』 鏡花とアンティークと古書の小径

 そして、その人、その時、はた明を待つまでもない、この美人《たおやめ》の手、一度我に触れなば、立処《たちどころ》にその唄を聞き得るであろうと思った。

    四十五

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