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『草迷宮』
鏡花とアンティークと古書の小径
その事よ。四海波静かにて、波も動かぬ時津風、枝を鳴らさぬ御代なれや、と勿体ない、祝言の小謡を、聞噛りに謳《うた》う下から、勝負! とそれ、銭《おあし》の取遣り。板子の下が地獄なら、上も修羅道でござります。」
「船頭も同類かい、何の事じゃ、」
と法師は新になみなみとある茶碗を大切そうに両手で持って、苦笑いをするのであった。
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