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『日本橋』
青空文庫
若い妓の、仔細なくそこを離れたのは云うまでもない。
と自から肩の嬌態、引合せた袖をふらふらと、台所|穿をはずませながら、傍見らしく
顔
を横にして、小走りに駆出したが、帰りがけの四辻を、河岸の方へ突切ろうとする角に、自働電話と、一棟火の番小屋とが並んでいる。……
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