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『草迷宮』
鏡花とアンティークと古書の小径
壁も襖も、もみじした、座敷はさながら手毬の錦――落ちた木の葉も、ぱらぱらと、行燈を繞って操る紅。中を縢《かが》って雪の散るのは、幾つとも知れぬ女の手と手。その手先が、心なしに一寸《ちょい》一寸《ちょい》触ると、僧の手首が自然《おのずから》はたはたと躍上《おどりあが》った。
(京へのぼせて狂言させて、
寺へのぼせて手習させて、
1477/1510
1478/1510
1479/1510
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