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 『草迷宮』 鏡花とアンティークと古書の小径

 壁も襖も、もみじした、座敷はさながら手毬の錦――落ちた木の葉も、ぱらぱらと、行燈を繞って操る紅。中を縢《かが》って雪の散るのは、幾つとも知れぬ女の手と手。その手先が、心なしに一寸《ちょい》一寸《ちょい》触ると、僧の手首が自然《おのずから》はたはたと躍上《おどりあが》った。
    (京へのぼせて狂言させて、
     寺へのぼせて手習させて、

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