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 『日本橋』 青空文庫

 その両方の間の、もの蔭に小隠れて、意気|人品な黒|縮緬、三ツ紋の羽織を撫肩に、縞大島の二枚小袖、襲ねて着てもすらりとした、痩せぎすで脊の高い。油気の無い洗髪。簪の突込み加減も、じれッたいを知った風。一目にそれしゃとは見えながら、衣紋つき端正として、薄い胸に品のある、二十七八の婀娜なのが、玉のような頸を伸して、瞳を優しく横で、熟と飴屋の方を凝視めたのがある。

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