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『貝の穴に河童の居る事』 青空文庫
「お姫様、トッピキピイ、あんな奴はトッピキピイでしゅ。」
と河童は水掻《みずかき》のある片手で、鼻の下を、べろべろと擦《こす》っていった。
「おおよそ御合点と見うけたてまつる。赤沼の三郎、仕返しは、どの様に望むかの。まさかに、生命《いのち》を奪《と》ろうとは思うまい。厳しゅうて笛吹は眇《めかち》、女どもは片耳殺《そ》ぐか、鼻を削るか、蹇《あしなえ》、跛《びっこ》どころかの――軽うて、気絶《ひきつけ》……やがて、息を吹返さすかの。」
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