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『日本橋』
青空文庫
「顔が見たい、お孝さん。」
「贅沢だよう。」
と婀娜な声、暗中に留南奇がはっと立つ。衣摺の音するすると、しばらくして、隔ての襖に密と手を掛けた、ひらめく稲妻、輝く白金、きらりと指環の小蛇を射る。
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