検索結果詳細


 『日本橋』 青空文庫

「何の、姉妹になるくらい、皮肉な踊よりやさしい筈だ。」
 掻巻の裾を渚のごとく、電燈に爪足く、流れて通って、花活のその桜の一枝、舞の構えに手に取ると、ひらりと直って、袖にうけつつ、一呼吸籠めた心の響、花ゆらゆらと胸へ取る。姉の記念にやわ劣るべき花柳の名取の上手が、思のさす手を開きしぞや。

 1511/2195 1512/2195 1513/2195


  [Index]