検索結果詳細


 『古狢』 青空文庫


「――お藻代さんの時が、やっぱりそうだったんですってさ。それに、もう十時すぎだったというんです。」
 五年前《ぜん》、六月六日の夜《よ》であった。明直にいえば、それが、うぐい亭のお藻代が、白い手の幻影《まぼろし》になる首途《かどで》であった。

 153/310 154/310 155/310


  [Index]