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 『活人形』 鏡花とアンティークと古書の小径


 今は悪ばかりの舞台となりぬ。磨《と》ぎ清《すま》したる三日月は、惜しや雲間に隠れ行き、縁《ゆかり》の藤の紫は、厄難未だ解けずして再び奈落に陥りつ、外より来れる得右衛門も鬼の手に捕られたり。さて彼の下枝は如何ならむ。

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