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 『婦系図』 青空文庫

 と友達も、吃驚《びっくり》したような顔で〓《みまわ》すと、出口に一人、駒下駄《こまげた》を揃えて一人、一人は日傘を開け掛けて、その辺の辻まで一所に帰る、お定まりの道連《みちづれ》が、斉《ひと》しく三方からお妙の顔を瞻《みまも》って黙った。
 この段は、あらかじめ教頭が心得さしたか、翁様《じいさま》がまた、そこらの口が姦《かしまし》いと察した気転か。
「何か、お父様へ御託《おこと》づけものがござりますで。」

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