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 『五大力』 従吾所好

「こりや、お寒いに、御苦労様でございます。」
 と古風な世辞を云ふ、大縞の寝々子を着た親仁。抜け湯の如く店を這ふ、蒸気〈いきれ〉の中から、指を銭のやうな恰好で、一挺痩せた所を握つて渡した。
「旦那、小〈こまつか〉いのの、お持合せは?」

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