検索結果詳細
『縁結び』 青空文庫
何ッて、母親《おふくろ》の懐《ふところ》で寝ながら聞くと、これは笑っているばかり。父親《おやじ》が店から声をかけて、魔物が騒ぐんだ、恐《こわ》いぞ、と云うから、乳へ顔を押着《おッつ》けて息を殺して寝たっけが。
三晩《みばん》ばかり続いたよ。田地田畠《でんじでんばた》持込《もちこみ》で養子が来たんです。
その養子というのは、日にやけた色の赤黒い、巌乗《がんじょう》づくりの小造《こづくり》な男だっけ。何だか目の光る、ちときょときょとする、性急《せっかち》な人さ。
161/405
162/405
163/405
[Index]