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『夜叉ヶ池』 青空文庫
と言ううちに、極《きま》り悪そうに、お百合は衝《つ》と納戸へかくれる。
晃 君に背中を敲《たた》かれて、僕の夢が覚めた処で、東京に帰るかって憂慮《きづか》いなんです。
学円 (お百合の優しさに、涙もろく、ほろりとしながら)いや、私《わし》の顔を見たぐらいで、萩原――この夢は覚めんじゃろう。……何、いい夢なら、あえて覚めるには及ばんのじゃ……しかし萩原、夢の裡《うち》にも忘れまいが、東京の君の内では親御はじめ、
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