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 『貝の穴に河童の居る事』 青空文庫

「酔っとるでしゅ、あの笛吹。女どもも二三杯。」と河童が舌打して言った。
「よい、よい、遠くなり、近くなり、あの破鐘《われがね》を持扱う雑作に及ばぬ。お山の草叢《くさむら》から、黄腹、背の山鱗《やまうろこ》どもを、綯交《なえま》ぜに、三筋の処を走らせ、あの踊りの足許へ、茄子畑から、にょっにょっと、蹴出す白脛《しらはぎ》へ搦《から》ましょう。」この時の白髪は動いた。

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