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『日本橋』
青空文庫
「葛木の奥さん、……学位年齢姓名と並べて、(同じく妻。)と認めた手帳の一枚です、お受取り下さい。」
出すのを取って、熟と俯向く、……潰島田の、水浅黄の手柄のはらはらと揺るるを視ながら、冷めた茶碗を不器用な手つきで、取って陰気に一口、かぶりと呑むと、ガチリと立って挙手したきり、ただの巡査になって格子を出た。
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