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 『木の子説法』 青空文庫

(心配しないでね。)
 と莞爾《にっこり》していった、お雪さんの言《ことば》が、逆《さかさ》だから、(お遁《に》げ、危《あぶな》い。)と、いうように聞えて、そのい菩薩の列の、一番框《かまち》へ近いのに――導かれるように、自分の頭と足が摺《ず》って出ると、我知らず声を立てて、わッと泣きながら遁出《にげだ》したんです。

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