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『縁結び』
青空文庫
途中で負《おぶ》ってくれたりなんぞして、何でも町尽《まちはずれ》へ出て、寂《さびし》い処を通って、しばらくすると、大きな榎《えのき》の下に、清水《しみず》が湧《わ》いていて、そこで冷い水を飲んだ気がする。清水には柵《さく》が結《ゆ》ってあってね、昼間だったから、点《つ》けちゃなかったが、床几《しょうぎ》の上に、何とか書いた行燈《あんどん》の出ていたのを覚えている。
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