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 『高野聖』 泉鏡花を読む

 其を下り切ると流が聞えて、飛んだ処に長さ一間ばかりの土橋がかゝつて居る。
 はや其の谷川の音を聞くと我身で持余す蛭の吸殻を真逆に投込んで、に浸したら嘸可い心地であらうと思ふ位、何の渡りかけて壊れたら夫なりけり。
 危いとも思はずにずつと懸る、少しぐら/\としたが難なく越した。向うから又坂ぢや、今度は上りさ、御苦労千万。」

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