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 『婦系図』 青空文庫

 小さな声だったが判然《はっきり》と、
「いいえ。」と云って、袖に抱いた風呂敷包みの紫を、皓歯《しらは》で噛んだ。この時、この色は、瞼のその朱《あけ》を奪うて、寂しくく見えたのである。

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