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『婦系図』
青空文庫
すなわち扉《ドア》を細目に、先ず七分立《しちぶだち》の写真のごとく、顔から半身を突入れて中を覗いたのは河野英吉。白地に星模様の竪《たて》ネクタイ、金剛石《ダイアモンド》の針留《ピンどめ》の光っただけでも、天窓《あたま》から爪先まで、その日の扮装《いでたち》想うべしで、髪から油が溶《とろ》けそう。
早や得も言われぬ悦喜の面で、
「やあ、」と声を懸けると、入違いに、後をドーン。
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