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 『化鳥』 青空文庫

私《わたし》は返事をしませんかつた。それは驚《おどろ》いたわけではない、恐かつたわけではない。鮟鱇《あんかう》にしては少し顔がそぐはないから何にしやう、何に肖《に》て居るだらう、このい鼻の高いのに、さきの方が少し垂れさがつて、上唇《うはくちびる》におつかぶさつてる工合《ぐあい》といつたらない、魚より獣《けもの》より寧ろ鳥の嘴によく肖《に》て居る、雀か、山雀《やまがら》か、さうでもない。それでもないト考えて七面鳥《しちめんちやう》に思ひあたつた時、なまぬるい音調《おんちやう》で、

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